顧客から苦情が入っており、信頼を失いかけています。どう対応していったらいいでしょうか。
個別の事象に対しては、お答えできませんが、まずは精神的に辛い状況かと思います。そんな時は、クレームはチャンスに変えることができる、という心構えから整えていきましょう。
その後、前向きに対応していきましょう。
グッドマンの法則とは?
苦情処理と再購入決定率の相関関係を計量化した法則で、第三法則まで存在しています。提唱者であるジョン・グッドマンの名前からグッドマンの法則と言われています。
グッドマンの法則:第1~第3法則を紹介
グッドマンの法則は以下の通りです。
「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」
「苦情処理に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、二倍も強く影響を与える」
「企業の行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり好意的な口コミの波及効果が期待されるばかりか、商品購入意図が高まり、かつ市場拡大に貢献する」
文章で読むと少し理解が難しいかもしれません。ピンとこない方は、図を作成しましたのでご覧ください。
グッドマンの法則を図で解説

グッドマンの第二法則の解説
順番が逆ですが、第二法則から解説します。(再掲します)
「苦情処理に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、二倍も強く影響を与える」
図では、最初の分岐箇所に対応します。
商品を購入した人は、「満足」と「不満」に分かれます。ここで、満足した人は、5人に伝えるのですが、不満な人は10人に伝えており、二倍も差があることがわかります。ネガティブな話は広がりやすいので注意が必要です。
グッドマンの第一法則の解説
「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」
図の2段,3段目の分岐になります。一言で表すと、不満を持ったまま去った顧客と、不満を解消した人では、大きく再購入率が異なる、ということです。再入決定率は再購入率とお考えください。
苦情を言わない場合は、対応のしようがないため、かなりの損失になると考えられます。もし苦情を言っていただけたら、チャンスと思って対応するのが良いということになります。
グッドマンの第三法則の解説
「企業の行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり好意的な口コミの波及効果が期待されるばかりか、商品購入意図が高まり、かつ市場拡大に貢献する」
こちらは、図での解説ではありませんが、言葉が分かりにくい箇所があるので別の言葉で置き換えてみます。「企業の行う消費者教育によって」を「適切な情報を提供することによって」に変えてみてください。理解しやすくなるのではないでしょうか。
消費者教育というと分かりにくいですが、マーケティング用語のナーチャリングと考えると理解が深まります。「将来的に顧客となる見込みのある客層」に対して、ウェブやSNSなどで情報を発信していき、将来的に顧客になっていただけるようにすることです。顧客を育てる(教育する)ということです。
まとめ
グッドマンの法則により、苦情を適切に対応するかしないかで、顧客の再購入率は大きくことなっていることを紹介しました(第一法則)。本来、苦情を言わず去っていくことが多いと思いますので、まずは苦情を受け付ける窓口を用意し、苦情を言ってもらえる環境を作ることが大切です。
そして、適切に対応していくことで、リピーターをつなぎとめることが出来るかもしれません。苦情を言われたらチャンスだと思い取り組んでみてください。
